NPO法人きなはれは、障がいがある人の就労や、就労に向けた準備をサポートする団体です。NPO(非営利組織)であるため、利益の追求ではなく、理念の追求が第一。その人らしい就労に向けたきめ細やかな対応をモットーとしています。
世の中には、力持ちの人がいれば繊細な作業が得意な人もいて、話し上手がいれば聞き上手がいたりします。
このように、多くの人は自分の特性を理解し、調和し、時には強みに変えて、活かしながら働いています。
障がいもそうした特性のひとつだと、私たちは考えています。全ての人が同じように得意なこと、不得意なことがあり、得意を生かせば、その人らしく活躍できる場がきっとある。就労のバリアフリーが実現できる。私たちのこうした思いに共感してくれる、新しい仲間を求めています。
やりたいことを追求できる。利用者に寄り添った支援ができるのがきなはれの魅力。
◇白石障がい者就労センター スカイ センター長 西町祐哉さん
きなはれは札幌で長い歴史を持つ障がい者支援組織。母体となる「ヨベル」は、精神疾患を抱える人々が日中過ごせる居場所がない時代に、自分たちで居場所を作ろうと始まった共同作業所でした。障がい者支援の法制度も整っていない中、利用者主体で活動が進められ、職員も利用者によって選ばれるという独自の経緯を持っています。その後、NPO法人として法人格を取得するなど時代の流れに沿いながらも、元々の理念である「利用者の居場所を提供する」という考えは今も大切にされています。
長く支援に取り組んできた一方で、3つの事業所しか持っていないことも大きな特徴。地域や利用者にとって本当に必要なサービスを提供することにこだわり、今後も事業所の開設・拡大は考えていません。
福祉業界への就職にはさまざまな選択肢があります。その中で、きなはれの魅力と言えるのは、規模の拡大や利益追求ではなく、利用者に寄り添った支援ができること。専門知識を学んでいない方へのサポート体制も充実しており、「自分が本当にやりたいことを追求できる場所」として、第一歩にふさわしい環境だと自負しています。
小さな法人だからこそニーズへの対応もスピーディー。職員の「これがしたい」も実現しやすい環境です。
◇就労定着支援員・生活支援員 勝野はなえさん
アルバイトをしていたカフェが障がいのある高校生の職場実習を受け入れていて、そのサポートに関わったことが福祉業界に興味を持ったきっかけです。知識も資格もない状態から障がい者支援のグループホームで7年ほど勤務し、新しい環境でステップアップできればと、3年前にきなはれに就職しました。
前職のグループホームで携わった生活支援は、文字通り「日常生活の支援」なので、これというゴールはありません。それと比較すると、就労支援は「就職」という目的が明確で、達成感を感じやすいのが特徴です。またきなはれは組織の規模が小さいため、小回りが利き、利用者のニーズに迅速に対応することができます。職員が「これをやりたい」と思ったことも実現しやすく、例えば就労のために住環境を整える必要があるとなれば引っ越しをサポートするなど、就労支援の範囲を超えて、利用者の生活全般を支えられることにやりがいを感じています。
私はもともと相談員としてきなはれの一員になり、今は就労支援に携わっています。法人内で定期的に異動があり、さまざまな仕事を経験してキャリアを広げられるのも魅力だと思います。
岩手からの引っ越しも手伝ってもらえました。面倒見の良い雰囲気の職場です。
◇白石障がい者就労センター スカイ 生活支援員 坂下龍樹さん
もともとは公務員志望だったんですが、試験に失敗してしまって(苦笑)。出身は岩手県で、公務員系の専門学校に通っていました。高校時代に施設でボランティアをしていたので、福祉業界にも興味はあり、心機一転、新しいことにチャレンジするならと、地元を離れることを決意しました。きなはれを選んだのは求人広告の写真で見たカフェスタッフの笑顔が印象的だったからです。
福祉について専門的に学んできたわけではないので、仕事に対する不安はありました。ただ、ここの利用者さんは非常に親切で、仕事の流れなどはむしろこちらが教えられることが多かったです。時には意思疎通がうまくいかず、誤解やトラブルが生じたりすることもありますが、それはきっと一般の方と働いても同じことですよね。普通の職場とそれほど変わらないのではと思っています。
入社時は社会人としての基礎もなかったので、先輩には挨拶の仕方、電話の受け方などを一から教わりました。岩手から引っ越す時には部屋探しも手伝ってもらいましたし、面倒見の良い職場だと思っています。