「どうぞどうぞ」。江別市の上下水道工事を担う龍田工務店の社長室に招かれたジョブキタ就活取材陣はビックリ!そこには、DJブースやレコード、楽器、フィギュアなど、実に楽しそうなものが所狭しとディスプレイされていました。
「仕事を生きがいにするのも悪くありませんが、趣味や余暇のために生業に取り組むというのも一つの考え方。僕自身、DJパーティを開いたり、ネットラジオを始めたり、楽しいことに本気ですから」
こう笑うのは代表の龍田昌樹さん。「働き方改革」というワードが生まれる以前から、社員にもっと充実した休日を過ごしてほしいと、建設業界では珍しい週休2日にいち早くシフトしました。
「当社には優秀なベテランが在籍している他、市内では新しい工法に挑戦するパイオニア的存在。積極的なチャレンジで、工期を短くしたり、費用を抑えたりする手法を取り入れることで休める体制を整えてきました…最初は赤字の時もあったけど」
このような取り組みから、上下水道工事に特化したことで1年を通して安定的に仕事を獲得できるのも強みです。
女性も、足にハンディキャップがある人も、適材適所で仕事ができるよう会社側が変化しています。
代表取締役/龍田 昌樹
引き続き、龍田さんのインタビュー。
ところで、本業が水道屋さんなのに、なぜ「工務店」なのでしょう。
「初代が将来的に住宅を造りたかったから付けたんです。ただ、現状は水道の専門性を高めたからこそ、受注が絶えないという皮肉(笑)な状況。ベテラン陣の負荷を解消するためにも、最近は人材の増強に力を入れ、この1年で若手が4名も増えました」
建設業界では屈強な男性が働いているというのがステレオタイプな見方。けれど、同社は、これまでも多くの人材を先輩たちが受け入れ、現場側が一人ひとりの人柄に対して柔軟に変わってきました。そのため、最近入社した社員の中には女性(後ほど登場!)もいれば、足にハンディキャップを持っている人もいるのだそうです。
「これからは多様な人材を活用する時代ですし、建設業界とはいえ当社は手で穴を掘るような力仕事はありません。女性も足に装具を付けた人も、適材適所で仕事ができるよう会社が変わっていくべきだと思っています」
人材に対する考え方も実にイマドキ。安心して飛び込める懐の深さを感じます。
「就職したのは建設業者…だったっけ?」
というくらい新しいことにチャレンジしてほしいですね(笑)。
代表取締役/龍田 昌樹
龍田さんは本業の上下水道工事が安定しているからこそ、今後は建設業界にこだわらずに多角化を進めたいといいます。
「例えば、江別への外国人流入は1%を超えています。こうした外国人に対するサービスに次のビジネスチャンスがあるかもしれません。こんなふうに新しい事業に対するアイデアも新卒さんからドシドシもらいたいと思っています」
龍田さんは江別市の姉妹都市や経済、DX化などに関わるさまざまな委員会に所属。まちのキーマンの一人だからこそ、新卒のユニークな「活躍しどころ」も見えているそうです。
「例えば、現在は行政イベントの運営は市外の企業に委託するケースが多いです。けれど、新卒さんが学生時代にイベンターとして活躍した経験があれば、イベントのディレクションを任せることも可能。仮にデザインを学んでいる場合はポスターの制作に携わるなど、好きなこと、得意なことを生かして、新しい事業を立ち上げることも十分に視野に入れています」
もちろん、本業の仕事を覚えつつ、重心を少しずつシフトしていく見込みです。
「あれ?そういえば、建設業者に就職したんだよな?という未来も面白いじゃないですか」
私が狩猟でハントした鹿肉をレストランで出す…
というアイデアもアリって言ってくれると思います。
久保田 ももか
最後に話を伺ったのは久保田ももかさん。短大卒業後、一度は食品製造会社に就職しましたが、連休の少なさから「趣味(釣り)の時間をもっと充実させたい」と転職を決断したと振り返ります。
「土日が休みで事務系の仕事を探していたところ、たまたま目に留まったのが龍田工務店の求人情報。単なる事務ではなく、工事に関わる書類作成なら専門知識が身について将来につながると感じたのが決め手です」
入社後は現場の見学をしながら水道工事の流れを学び、部材の名称や役割なども教わったそうです。
「今は図面の描き方を勉強中。外に出たり、事務仕事をしたり、ずっと同じことをする訳ではないのが私に向いています!」
ところで、土日が休みの同社なら趣味の釣りにも行けますね。
「実は…あまり釣りに行っていなくて。最近のお休みは、高校生の頃から興味のあった狩猟免許の取得に向けた勉強に使っています」
イマドキの女性に見えましたが、意外すぎるワイルドな興味!
「実は当社はフレンチレストランも運営しているので、例えば私がハントした鹿肉を料理にするのも面白いかなって」
社長はいつもの感じで「アリ!やろうよ!」って言ってくれそうです!