つながっているのは、建物だけじゃない。人や地域ぐるみで理想の働き方を支えます。
社会福祉法人音更町柏寿協会の一番の特徴と言えるのが、2016年に移転新築した建物です。1つの建物内に養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、ケアハウス、通所・訪問介護事業所などを備え、利用者さんやご家族に異動や手続き上の負担を少なくサービスを提供しています。
さらに建物だけでなく、事業所の働き手同士や地域と密接につながっていることで、働きやすさも実現しているのも特徴。
例えば、ライフステージに応じて働く事業所や勤務形態を変えたり、各施設が協力し合って若手を育成したり、法人本部との連携で働きやすい制度を作ったり、地域とのつながりで数多くのパートさんを受け入れたり…。
この「つながり」が生み出す好循環について、3人の職員に詳しいお話を伺いました。
◎地域とつながり、成長も早い環境
1年前に江別市の大学から新卒入職した大西完吾さん。介護の知識は全く無いなか、故郷である音更に貢献したいと考えた時、真っ先に浮かんだのが柏寿協会だったと振り返ります。
「ここは昔からお祭りを開いたり施設見学会を開いたりと、地域の方々にとって身近な存在です。僕より先に妹が働いていて、『働きやすい』と言っていたので、働くならココだと決めていました」
入社後は先輩職員が1人サポートとして入るため、1年目も不安は全くと言っていいほど無いのだとか。
現在は介護福祉士の資格取得を目指し、清掃やシーツ交換、見守りや利用者さんの送迎等を行っています。
「1つの建物に事業所が集約されているので、特養や訪問の現場での介護技術や、事務的なことも学べたりと、成長を望むにも理想的な環境です」
将来は生活相談員を目指しているという大西さん。
「介護は大変という印象があるかもしれませんが、利用者さんへ理想の地で、理想の人生を提供する喜びは何事にも代えられません。大好きな音更にこれほど貢献できる仕事はないと思います」
◎どんなに人生が変化しても、私の居場所です
音更町の短大で介護を学び、約5年前に「特別養護老人ホーム寿楽園」に入職した神代若菜さん。第一子のご出産を機に昨年からは「ケアハウスあさひ苑」に異動し、夜勤なしの形態で働いています。
「育休明けは元の勤務形態では難しいな…とモヤモヤしていたら、上司が察してくれたかのように『ケアハウスはどう?』と声をかけてくれたんです」
とはいえ異動後も子どもの発熱や保育園からの呼び出しなど、子育て世代特有の悩みは尽きません。けれど、経験豊富な先輩職員たちのお陰で、そんな苦労も吹き飛んでいると神代さんは続けます。
「『ここは任せて!』『早く迎え行っておいで!』と言ってくれますし、時にはお下がりをくれたり、育児の相談に乗ってくれたり。仕事としても母としても本当に頼りがいがある先輩職員ばかりなんです」
柏寿協会を「常に自分の居場所」だと表現する神代さん。
「新卒で入職し結婚、出産と目まぐるしく人生が変化しましたが、一度も退職を考えたことはありません。もしも2人目が生まれて今より大変になっても、ずっと安心して働ける。そんな明るい未来を描ける職場なんです」
◎どんなに手がかかっても、働きやすい職場づくりを
最後にお話を伺ったのは、法人本部事務局長の安達崇典さん。働きやすい職場の理由は、40人以上ものパート職員が元気に働いている事が背景にあると説明します。
「当法人では地域の方々と密に運営に取り組み、シニア人材の採用や短時間勤務の導入に尽力してきました。7年前に施設を新築移転してからは離職率が下がり、ベテラン揃いになった影響でパート職員と正職員が互いに助け合う文化が生まれ、さらに良いサービスを提供でき…と、好循環を生み出すことに成功したんです」
現在力を注いでいるのが正職員の働き方改善。
「近年はリフレッシュ休暇の導入や、有休を取得しやすい制度を整備してきました。今後も給与改定や定年後の再雇用制度等を見直す予定です」
こうした制度は全て、現場からの声を聞き入れて実行しているのだとか。
「法人本部も同じ建物なので全職員に目が行き届きますし、管理職も現場で働いた経験がある者ばかりなので苦労も喜びも充分に理解しています。毎週1度の会議や複雑なシフト作りは決して簡単ではありませんが、一人ひとりに合う幸せな働き方を常に追求し続ける法人でありたいと思います」