2019/05/13[mon] update

農林漁業の仕事人file【農業/三浦尚史さん】

理系の視点と温かなハートで取り組む、未来スタイルの農業。

農業法人 三浦農場
代表 三浦尚史さん

大学院で農業機械を専攻
メーカー勤務でその道のスペシャリストに

十勝は音更町に広がる99haの農地で小麦、小豆・音更大袖大豆、長芋、馬鈴薯、ビートなどの品目を栽培しているのが三浦農場。
「祖父から数えて3代目。正社員の男性が1人、季節雇用している女性が2人、父と妻と私の合計6人がスタッフということになります」と語るのは代表の三浦尚史さん。日焼けした笑顔につなぎというごく一般的な生産者の出で立ちですが、北海道大学農学部大学院で農業機械を専攻、卒業後は帯広に拠点を構える農機具メーカーに勤務したエリートです。
「学生からそのまま家業を継ぐより、実際のビジネスの現場で組織運営の方法を学んだり、最先端の機械製造の知識を身に付けてからの方が、後々の営農に役立つのではないかと考えました」
20代の若さで描いた人生の設計図。それを着実に実現していったのが三浦さんのすごいところ。
企画営業職として所属した同メーカーには5年ほど勤務。その後父親の右腕として三浦農場で働き、10年ほど前に正式な後継者として、農場の代表に就任しました。

農業機械の高度化・自動化で
『誰もが活躍できる農業』をつくりあげて

三浦農場の最大の特長は農業機械の高度化・自動化の取り組み。
「例えばトラクターにはGPSを搭載したり、トラクターのアタッチメントやトラックの後部にカメラを装着したり、スプレーヤーはどの部分を作業したか一目でわかるようになっていたり、それらはすべて操縦席のディスプレイで管理しています。」
GPSやカメラを活用することで効率的な耕起や収穫が可能となり、スタッフの労働時間の削減も実現できます。またデータ管理まで行えば作業の重複を防いだり、今後のスケジュールを組み立てることもスムーズになります。
「主要農機であるトラクターの操作も現段階は『半自動』ですが、この5月から導入される『ロボットトラクター(無人トラクター)』が稼働すれば、1人で同時に2台のトラクターの操作が可能になります」
ちなみにこの先端トラクターは三浦さんの企画がベース。北海道大学や大手農機メーカーと技術提携並びに共同開発で製品化にこぎつけたのだとか。こうした農業機械の高度化や自動化は作業効率や生産性を上げるだけではなく、『誰もが楽しく農作業できる環境を作り出す』というメリットも。
「実際、弊社に勤務しているスタッフはみんな全くの素人からのスタート。それでも機械や技術を上手く活用することで、数カ月でトラクターや操作が難しいカルチ(除草機)なども簡単に操れるようになります。GPSやカメラ、データ管理など高度化・自動化のしくみは、農業の入口を大きく広げたといえるかもしれませんね」
農には関心あるけれど体力が心配。そんな人でも活躍できる次代の農業を実践しているのが三浦農場。当然待遇や条件についても親身になって相談に乗ってくれます。
「年間の安定的な給与や賞与支払い、女性用を含む複数のトイレ設置、農閑期の長期休暇の導入など、農業と時流をマッチさせた環境づくりにも取り組んでいます」

合理性と人間性を兼ね備えた
未来志向の農業を実践したい

三浦農場は販売チャンネルの開拓にも積極的です。
「例えば、『六花亭』さんが販売する水ようかんの原料はすべてうちの小豆。風味が良くなるニオ積みや有機肥料使用などの条件を満たしながらの契約栽培です」
企業から要求される条件に柔軟に対応できる生産体制をつくりあげ、さらなる販売先の拡大や経営の安定化を図ろうというのが、三浦農場のビジネスビジョン。
また、地元素材を大切にしたパンを提供している『萬寿屋商店』やマッシュルーム生産を行っている『鎌田きのこ』などと提携し、地場の産業との心温まる連携も行っています。
「マッシュルーム栽培で使用したばん馬の馬糞堆肥を、小麦の肥料として再利用。さらに小麦を収穫した後の麦わらをばん馬の馬房で利用しています。名付けて『ばん馬とキノコと小麦の輪』。地元ならではの資源の循環です」

もっと合理的に、もっと温かく。一見相反するような2つのテーマにクレバーな視点で取り組む三浦農場。太陽のもとで働きたい、土にまみれて汗をかきたいという人はもちろん、「ITやコンピュータを通して農業に触れてみたい」「農業を儲かるビジネスとして考えてみたい」という『理系な人』にもオススメの職場ではないでしょうか。
近日、1人で2台同時に操作できるロボットトラクターが登場する予定。
トラクターやトラックなどにバックカメラを設置することで安全・簡単操作を可能にしています。
バックカメラやデータなど、様々な情報を車載モニターで確認することができます。
機械だけではなく農具もタグをつけて整理整頓。これも効率アップのコツです。
トップダウンではなく、情報共有をしてみんなで考えることも大切にしている三浦社長。
三浦農場のスタッフ。女性もトラクターに乗ったり農業機械を自由に操っています。

株式会社 三浦農場

99haの農地で小麦、小豆・音更大袖大豆、長芋、馬鈴薯、ビートなどの品目を栽培。農業機械の高度化や自動化を行うことで、誰もが働きやすく活躍できる農業を目指しています。
河東郡音更町東和東1線18番地
TEL.0155-32-4022
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