2018/11/29[thu] update

農林漁業の仕事人file.010【農業/逸見理菜さん】

野菜の行く先を考えると喜びを見出せる。
女性も自分らしく輝ける仕事です。

夢想農園 
逸見理菜さん

私もここで輝きたい!と憧れを抱き夢想農園へ。

白かぶ、水菜、パクチー、長いもなど、多品種の野菜と和牛の生産をしている夢想農園。
ここで、今年の春から社員として働いている逸見理菜さん。
「将来はデスクワークより体を動かす仕事がしたい」と、北海道士幌高等学校のアグリビジネス科で農業を学んでいました。
2年生の時に、2泊3日のインターンシップで夢想農園へ。
夫婦で農園を営み、十勝管内の農業関係者の女性ネットワークを立ち上げるなど、同じ女性として農業で活躍している堀田悠希さんから大きく影響を受けました。
「悠希さんに旅館やお店への野菜の納品に連れて行ってもらい、自分たちの野菜がどのように使われているか、そのお店や人のことなども話してくれました。目の前の作業のことだけではなく、自分たちが作った野菜の行く先もイメージし、大切にする考え方がとても良いなと思いました」。
その時の経験を基に、女性が農業に関わることの意義を題材に校内意見発表大会に出場し、優秀賞に選ばれた理菜さん。
「私もこんな風に輝きたい」と悠希さんに強い憧れを抱き、夢想農園で働くことを決意しました

食べる人のことを考えると、この仕事を誇りに思えます。

4月に入社すると、さっそくビート(てん菜)の定植作業で忙しい日々が待っていました。
朝から夜まで、ポットに植えた苗を取り出す作業を繰り返します。
「最初は力もないので苗は重いし、何で延々とこれをやっているんだろう?と思いました(笑)。でもその後、植えた苗がすくすく伸びてビートが大きくなっていくのを見て、私がやっていたのはこういう仕事だったんだ、と実感できました」。
たまたま最初に繁忙期に当たり、「農業ってこんなに大変なんだ」と思ったと言いますが、作物の栽培時期によって波があることもわかってきました。
休日は週1〜2回ですが、代表の堀田隆一さんと悠希さんが常に様子を見てくれて、体力的に辛そうだと思ったら休ませてくれたのもありがたかったと言います。繁忙期は土日も作業があるため交代で出勤し、平日に休みをもらう仕組みになっています。
スタッフは、理菜さんの他に社員2名とパートさん。
「ここの農園は、人が温かいのがいいところです。忙しくて同じ作業が長く続く時も、このメンバーだから一緒に楽しくできていると思います」。
道内のイベントに出張し、野菜の販売にも同行しました。
「お客さんから、『去年もここの野菜を食べておいしかったのよ』と言ってもらえて、うれしかったですね。悠希さんもいつも言ってくれますが、誰がどのような食卓で食べているかを想像することが大事。自分が今している作業が誇りに思えるし、楽しく感じるんです」。

女性でもできる、女性だからできる仕事を。

実際にこの仕事に就いてみて、女性が農業をすることについて改めてどう思うか聞いてみました。
「体力は男性との差はありますが、女性でもできる仕事はたくさんあるので、『私、女の子だから…』と言っていては務まりません。働いているうちにだんだん力もついてきました」。
また、女性ならではの感性やアイデアが生きる場面もたくさん経験しました。
野菜を袋詰めする時に麻ひもをリボン結びにしてみたり、「こうしたら可愛いんじゃない」「今より良く見えるにはどうしたらいい?」と話し合うのが楽しいと言います。
夢想農園に就職してからは、実家を出て一人暮らし。農園で出た廃材をもらってDIYにも勤しんでいます。普段は、ネイルやファッションにも敏感な普通の女の子です。
プライベートでは、中学からの友人と「earth」という音楽ユニットを組んで活動し、ライブやCD制作もしています。夢想農園の隆一さんと悠希さんも応援してくれており、農場での投げ銭ライブも実現させてくれました。
まるで我が子のように、理菜さんを優しく見守っている堀田さん夫妻。
「高校生の時にインターンシップで3日間ここで働いてくれた時、最後の挨拶で泣いちゃって。なんて純粋でいい子なんだろうと、スタッフももらい泣きしていました。
口数は多くないけれど、人の話をしっかり聞いて受け止める子です」と悠希さん。そのことは今回理菜さんが話してくれた内容から、十分伝わってきました。
新卒で夢想農園に就職できたことは、「出会えたこと自体がすごいこと」と理菜さん。
これから農業を志す人には、「とにかくやってみることをお勧めしたいです。やってみないとわからないことがたくさんありますが、楽しめるかどうかは自分次第だと思います」。
初々しさの中にも、農業という仕事に誇りと楽しさを感じている姿と、前を向いて進む力強さを感じました。
白かぶの葉を切り落とし、箱詰めする作業。長時間の作業もパートさんと一緒に楽しんで行います。
士幌町でブランド化している「わかもろこし」は、生でも食べられるヤングコーンです。
理菜さんが疲れていないかと気を配り、親のように見守る農園主の堀田隆一さん・悠希さん夫妻。
中学の同級生と音楽活動もしている理菜さん。夢想農園でも投げ銭ライブを開催しました。
堀田悠希さんは、道の駅ピア21しほろの運営を行う株式会社at LOCALの代表も務めています。
自分の仕事がちゃんと消費者まで繋がっていることを実感できる大切な売り場です。

夢想農園

士幌町、音更町に40haの農地を持ち、じゃがいもやビート等の原料作物、多品種の野菜、和牛の生産を行っています。市場からの流通の他、飲食店や小売店への販売、消費者と直接つながるイベントやマルシェへの出店も精力的に行っています。
河東郡士幌町字士幌東4線173
農林漁業の仕事人file
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