2018/08/09[thu] update

農林漁業の仕事人file.009【林業/Roque Beejay(ロケ・ビィジェイ)さん】

体力勝負の仕事に映りますが
頭脳労働も不可欠…だから面白いんです。

国安産業株式会社
準社員/Roque Beejay(ロケ・ビィジェイ)さん

机に向かっているより、自然の中で働きたくて。

「こんにちは、よろしくお願いします」という日本語がとても流暢。ビィジェイさんはフィリピン出身。
「とはいっても、両親の仕事の都合で6歳の時に日本に渡ったため、日本語もすっかりに身についています。今では身も心も完璧な日本人です(笑)」
そんな彼が森の仕事に就いたのは、地元高校を卒業した18歳の時。同級生の祖父がこの会社に勤務しており、ここで働いてみないか?と誘いを受けたのがきっかけでした。
「正直、林業と聞いても木を伐る仕事くらいのイメージしかありませんでした。同級生の中でもこの道に進む人はいませんでしたし」
母校の美幌高校にもかつて森林科があり森林作業士のタマゴを排出していましたが、それも今では廃止に。若い人が注目しづらい森の仕事にあえて就こうと考えたのはなぜでしょう。
「そう聞かれると、困るんですけど…(笑)。幼い頃から自然が好きでしたし、机の作業よりも手を動かす方が性に合ってると感じていましたから。あと見学に来た時に、森のなかで働いている社員の方々がかっこよく見えたのも理由かも…」

経験を重ねていく度に仕事のスケールが大きくなる。

ビィジェイさんは入社後しばらく、緑の雇用制度を利用して北海道が開催する講座や研修に参加します。ちなみにこの制度は国の事業の一環なので、受講費用などの自己負担はありません。
「森林とは何か、なぜ手入れが必要かという森の基礎から、森林作業の種類や流れまで幅広く学びました。また作業に不可欠な刈払機やチェーンソー取り扱いの資格も取得しました」
こうして得た基礎知識をもとにビィジェイさんも先輩達に同行して、森の仕事に取り組むようになります。といっても2年目くらいまでは、雑草や灌木を取り払う「下刈り」や、育ちの悪い木々を除く「除伐」や「枝打ち」などのサポート作業が中心。
「5〜6人でチームをつくり担当現場に向かいます。最初の頃は全力で取り組みすぎて途中でバテてしまうこともありましたが、経験を重ねるうちに上手な体の使い方、身体に負担の少ない作業のコツなどを覚えていきました」
3年目に「車両系建設機械運転技能講習」を受け、念願のハーベスタを操作できるように。入社5年が過ぎた現在では、ハーベスタを上手に操作しながら、伐採や皮むき、丸太づくりなどを丁寧にこなしています。

やりがいと将来性を兼ね備えているから。

なかなか経験できない森の仕事。そのやりがいとはどのようなものなのでしょう。
「森の仕事は本当に奥が深いんです。例えばどのように作業を進めれば一番効率的で経費がかからないかを考える必要がありますし、一本の木を伐る場合でも、ここまでは高く売れる建材用に、ここから上はパルプの原料に…というような判断や対応が必要になります。パッと見では体力勝負の仕事という印象ですが、そういった頭脳労働も必要とされるところがこの仕事の面白さじゃないでしょうか」
こうしたやりがいの一方、ビィジェイさんの所属する国安産業株式会社は、木材をつくる「造材」だけでなく、苗の植え付けなどの「造林」にも取り組むため、仕事は一年を通じて確保されています。また正月やお盆、GWなどの長期休暇、安定した給与、定期的に開催される安全講習など、働きやすい環境づくりにも前向き。入社当初はアルバイト的な感覚もあったと笑うビィジェイさんですが最近は考え方も変わってきたそう。
「これまでは準社員的な立場でしたが、会社のすすめもあり、正社員採用にしていただこうと考えています。また森の仕事の面白さややりがいを伝えられる存在にもなりたいですね」
会社は津別町中心部近くにあるが、現場は車で30分程度の山の中が多い。
現場により人数は様々だが、チームで安全に気を配りながら作業を行う。
どこで木を切り分けるか?といった判断や効率など、現場での作業が経営にも直結するそう。
ハーベスタの操作も、先輩にはまだまだかなわないとビィジェイさん。
冬場の作業は大変かと思ったら、雑草がすくない分逆にスムーズに作業ができるらしい。
普段使っている道具の手入れも大切な仕事。

国安産業株式会社

国有林、道有林などを中心に、造林から素材の生産まで、オホーツクの豊かな森林を守る仕事をしている。設立は昭和25年と70年近い歴史があるが、若い世代をしっかりと育成しながら継続している、オホーツクを代表する林業事業所のひとつ。
網走郡津別町字達美148-5
TEL.0152-76-2300
農林漁業の仕事人file
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