2018/05/17[thu] update

農林漁業の仕事人file.008【農業/髙橋紗希さん】

他の仕事と同じように
この人たちと一緒に働きたい、という気持ちが大切。

株式会社押谷ファーム
研修生(雇用就農予定)/髙橋紗希さん

オーナー夫婦の目の輝きに「ここだ!」と。

初々しい笑顔を見せながらお話を聞かせてくれたのは、髙橋紗希さん。昨年北海道教育大学岩見沢校を卒業後、長沼町でアスパラや花きを育てる株式会社押谷ファームの研修生として入社しました。
「大学の専攻はアウトドアライフ専攻でスポーツ経験は硬式テニスとバスケット。在学中に北海道がどんどん好きになっていって、自然と農業にも目が向いていきました」
農業を自分の仕事にしてみたい。そう考えた髙橋さんは業界研究や近郊の短期の農業体験などに取り組みます。
「それらを通じて農業法人という経営形態があり一般の企業のように社員として働けることを知ったんです」
そこから就職先としていくつかの農業法人を訪ねる中、知人から紹介されたのがこの押谷ファーム。「整頓された農場、おしゃれなガーデン…、なによりオーナー夫婦やスタッフのキラキラ光る瞳に心打たれてここで働きたいと思いました。みんな農業が好きで、自分たちの仕事に誇りを持っていることがとっても伝わってきましたから(笑)」
同ファームの農産物はすべて直売。『収穫して終わり』ではなく『お客様に直に届け、その反応を聞くことまでが仕事』という理念にも共感したと髙橋さんは振り返ります。

休日や休暇、残業に対する考えも法人ならでは。

卒業と同時に押谷ファームで働き始めた髙橋さん。念願の仕事とはいえ知識も経験も皆無だったため、まず研修生としてスタートし、2年の研修期間を経て正社員雇用という道を選択しました。
「初出勤は4月。最初に経験したのはアスパラ用のビニールハウスづくりでした。もちろん先輩たちに教えていただきながらの、見よう見まね状態(笑)」
アスパラ栽培は春から初夏までが最もハード。定植や収穫、サイズの計測や梱包など一日の仕事は分刻みです。
「いきなりの力仕事で、スポーツをしていたとはいえ使う筋肉が違うため身体がついていかなかったり、今自分がしていることの意味とか作業の全体量が分からないこともあり、当初の数カ月は体力的にはものすごく大変でした。毎日ヘトヘトで帰り夜の9時前には寝ていましたから(笑)」
それでも音を上げなかったのは、髙橋さんを大切に育てていこうというオーナー夫妻の思いが伝わってきたから。
「どんなに忙しくても残業はわずかで決まった時間に帰れましたし、毎週のお休みもありました。事あるごとに声がけしてくれましたし、話もよく聞いていただきました」
栽培が一段落する夏には、農場内のカフェのサポートやカーデニングの作業も。「いろんな仕事ができたりお客様に接したりするのが楽しかったです。やりがいも湧いてきました。スタッフみんなで支笏湖に遊びに行ったりもできました」
晩秋から冬の農閑期は農作業があまりなく、ミーティングや春に向けての準備のほかは、かなり長めの休みもいただけたんですと、髙橋さんはニッコリ。夏に頑張った分だけ思いきり遊んで家族と旅行にもいったのだとか。

農業も人と人の関係の上に成り立つもの。

農作業2年目、髙橋さんに今の思いを伺うと…
「気持ちにも体力的にもものすごく余裕が持てるようになりました。やはり一年間の農業作業の流れを体験できたのが大きかったですね」
ゴールの見えない作業は辛いけれど、それが見えれば作業に楽しみも見いだせる。年間の作業スケジュールが理解できるようになれば、その先の段取りもスムーズになります。
「去年の今頃とは正反対。オーナーが『一年やれば必ず楽しくなるから』といっていた意味が、今とてもわかります。なので、これから農の世界に入る人も、すぐに見切ったり諦めたりしないでほしいです。そして、何よりも毎日太陽の下で土に触れながら、『生きているんだ』ってことを実感しています。農業を選んで本当に良かったと思っています」
では最後に、髙橋さんに続く後輩たちにメッセージを。
「そこが何を作っているか、栽培法はどうか、作業は大変だろうか…、ということももちろんですが、そこの経営者がどういう人物でどういう理念や夢を持っているかのほうが大切だと思います。大学を卒業して農業法人に就職をという人はなかなかいないとは思いますが、まずは自分でいろんな現場を訪ね、経営者の考えや姿勢に直に触れてみてほしいですね」
農作業を数値化しているため日々の作業の意味もしっかりと教えてもらえる。
収穫したアスパラの仕分けや梱包、発送も髙橋さんの仕事。
押谷ファームには綺麗に整備されたガーデンも併設されている。
今年6月には野菜のかき氷が食べられるカフェもオープン予定。
農作業だけではなく、お客様と直接接することができるのも楽しいと髙橋さん。
社長夫婦と3人で記念撮影。お互いにとてもいい縁だったのだと。

株式会社押谷ファーム

1999年にアスパラ農家として新規就農。研修生を積極的に受け入れこれまでに6名が独立、2年前に法人化を行い現在は社員採用も。
ガーデンやカフェも併設しテーマパークのような農園を目指している。
夕張郡長沼町東3線北13番地
TEL.0123-89-2180
農林漁業の仕事人file
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