2017/09/11[mon] update

農林漁業の仕事人file【林業/今井章人さん】

職人の世界から、日の当たる業界へ。
森の仕事が変わり始めているのを実感しています。

雨竜町 森林作業士/有限会社スリースターズ興業
今井章人さん

およそ1年をかけ資格取得や、体力づくりに取り組みました。

にこやかな笑顔。優しい話しぶり。屈強な職人という予想を心地よく裏切ってくれたのが、今井章人さん。地元の高校を卒業後自衛隊で8年ほど勤務。その後新たな仕事先を探している時に知人から紹介してもらったのが、スリースター興業という林業事業体でした。
「森の仕事の経験はゼロでしたが、前職が自衛官だったこともあり特に不安を感じませんでした。実は実際働き始めても、予想していたより辛くないな…というのが正直な感想だったんですよね」
入社当初の仕事はチェーンソーの刃を研いだり、下草を刈ったりという先輩のフォローが中心。「斜面を登ったり丈の長い草むらを進んだりと、森の仕事ならではの筋力や持久力も不可欠なので、先輩たちには徐々に体を慣らすようにというアドバイスもいただきました」
そのかたわら、北空知森林組合に足を運び、作業の安全に関する指導やセミナーを受講したり、チェーンソーや刈払い機の操作資格を取得するなどして、森林作業員としての実践力を蓄えます。
「伐採や植え付けなど業務自体はシンプルなものですが、安全や周囲への配慮などの気遣いも同時に行わなければなりません。先輩と同じくらいのスピードで仕事がができるようになったのは、入社1年後くらいかな」

チームワークが大切な仕事。美しい風景に今でも心が癒やされます。

森林の仕事と言っても、軽作業から重機を操るものまでさまざま。このため各々の担当を決め、チームを組んで業務に当たるケースが一般的。ちなみに今井さんの担当は、下刈りや間伐、主伐など刈払い機やチェーンソーを使った作業です。
「仕事をスムーズに進めるだけでなく、事故やトラブルを未然に防ぐ意味でも、この仕事に欠かせないのはチームワーク。互いを信頼することが何より大切なんです」
仕事時間は、基本的には朝7時から夕方16時まで。昼間の作業がキツくなる真夏などは夜明けの涼しい時間帯に働き、午後早めに作業を終了させることも。ちなみに雪に覆われる冬場は木を倒す主伐がほとんどだとか。
「週休は1〜2日で、GWやお盆、年末年始のほか、大雨や吹雪などの悪天候時も休業になります。比較的忙しくない冬は長い休みを取ることも多いですね。年間の休日数は一般企業と大差ない気がします」
入社して8年。これまで辞めようと考えたことはないのでしょうか。
「一度もないです。やっぱり森の中は気持ちがいい。深呼吸するだけで疲れが吹き飛びます。樹木が成長を目の当たりにするのもうれしいし、あと、陽光が差し込む幻想的な森の風景は何度見ても感動します。それに…春の山菜や秋のきのこなど、森の恵みを味わえるのもこの仕事ならではなんですよ(笑)」

今井さんが所属する会社に仕事を発注する、森林組合の担当者にもお話を伺ってみました。

お話を伺ったのは、北空知森林組合の森林施業プランナー、久村尚史さん。
「森林の仕事に携わって20年以上になりますが、自然に関する関心の高まりやメディアでの紹介などもあり、かつては職人の世界だった森林の仕事環境も、オープンになってきていると感じます。待遇や保険、研修などの整備は当然ですが、仕事のマニュアルを整備している会社もありますし、森林組合主導の安全指導もより徹底的になっています。機械化や分業化が進み、女性の働き手も増えていますし、林業大学校の設置の準備なども進んでいるようです」
しかしその一方、先人の知恵に学んだり多彩な経験を積み重ねることも大切。焦りや油断が事故に繋がることもあるので、新人さんにはじっくり時間をかかけて成長してほしいとも。さらに話は森林の仕事の将来ビジョンに。
「北海道の森林全体が伐期を迎えていること、さらに森林の仕事に対するニーズの高まりから、この業界に参入する企業は増えています。独立して会社の代表に就く方もめずらしくありません」
森の仕事に関心があるならば、環境や仕事内容に納得できる会社で腕を磨いた後、『会社の上層部になる』『起業してオーナーになる』など、自らの夢を描くことも可能だとか。
「そのための第一歩が、企業研究や業界研究。自分のような森林施業プランナーや、今井さんのような森林作業士に会って話を聞くのもためになると思います。がんばってください!」

有限会社 スリースターズ興業

雨竜郡雨竜町字尾白利加92-16
TEL.0125-77-2052
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