砂糖作りの老舗が生んだ新食感スイーツ みるくのくも【北海道糖業株式会社】
2026年9月21日 公開

きっかけとなったのは、
砂糖の需要減少という危機。

事業開発部 事業開発課 課長 大葛 政史さん
「原料であるビートの作付面積が減れば、工場を稼働させるための原料確保が難しくなり、稼働率の低下がコスト増につながるという悪循環に陥ります。実際にそのあおりを受けて、2023年に本別町の工場も操業を終了しました。一方、北海道は日本のビートを100%生産し、多くの畑作農家が栽培しています。事業開発部の立ち上げは会社の存続はもちろんのこと、生産農家さんやかかわる人すべての未来を懸けた責務だったんです」
ちなみに同社では砂糖製造に加え、乳酸菌などの受託生産を行うバイオ事業と2本の柱が既にあったのだそう。しかし、より安定した事業運営を目指して3本目の柱を作るために、事業開発部が立ち上げとなり、北海道お土産作りへの挑戦がスタートしたと言います。
最も時間をかけた
ブランドコンセプト作り。
「商品を一つ作って終わり、ではなく事業の柱として持続可能にするために、ブランドの世界観を固めるところに最も時間をかけました」
社内公募で集まった案の中から生まれたのが、「Beetopen(ビートペン)」。ビート(Beet)糖の力で、北海道の恵みの新しいおいしさを開く(Open)という思いを込めています。そこから砂糖が主役の商品を考え、数ある候補の中から第一弾に選ばれたのが、わたあめでした。
「形状がシンプルで素材の良さがそのまま伝わりやすい上に、原宿や渋谷にわたあめ専門店が登場するなど、注目が集まっていたことも理由です。わたあめの形と材料から『みるくのくも』という名前が生まれ、雲とブランドイメージの窓、北海道の風景をモチーフにしたパッケージのアイデアができました。結果として空港との親和性が高くなったんです」
幾重もの壁を乗り越え
生まれた新たなスイーツ。
「まず自社内で製造が難しいため委託先を探す段階から始まりましたが、そもそもわたあめを製造している工場が全国的にも多くありません。更に技術的な課題も大きく立ちはだかりました。わたあめは通常、結晶の大きな『ざらめ』を加熱し、遠心分離を掛けて繊維状にして雲のような形状を作るのですが、弊社の結晶が細かなグラニュー糖では繊維が短いため焦げやすく、ざらざらとした食感になってしまうんです。いざ加工が成功した後も熱や衝撃に強い個包装の製造は難航の連続で…。とはいえ、2026年3月10日の『砂糖の日』にプレスリリースをすると決めていたので、急ピッチで開発を進める必要があったんです」
こうした幾度もの困難を経て、4月末に新千歳空港で販売を開始すると、瞬く間にヒットを記録。「北海道お土産グランプリ」のスイーツ部門でグランプリを受賞した他、道内各地の空港へと販路が広がり、好調な売れ行きを記録していきました。
「個人的にやって良かったと実感したのが、社内で『自分たちの商品が売られていてうれしい』と声が上がったことです。商品を通じて、ビートを作る農家さん、流通や販売にかかわる人など、みんなが笑顔になってくれると一番良いなと思っています。ビート一筋の弊社がみんなで団結していけば、きっといい未来が描けるのではないでしょうか。既に第二弾商品も開発中ですので、今回空を飛んだビートの更なる〝飛躍〟にご期待いただきたいです」
ここがこだわり! 開発のポイント
北海道糖業株式会社
https://www.hokutou.co.jp/
北海道発!商品誕生エピソード
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