小樽愛という旗を掲げ、温泉、サウナから新事業を展開。【株式会社Otaru arch】
2026年8月24日 公開

小樽市出身。看護師として東京・札幌で4年間勤務した後、2008年に家業である温浴施設「湯の花」の運営へ参画。人事や企画、施設運営など経営全般に携わる。2024年に株式会社Otaru archを設立。社名の「arch」には、人と小樽をつなぐ懸け橋になりたいという思いを込め、サウナや飲食、商品開発など幅広い分野で地域の価値向上に取り組んでいる。
「何でもやってみる」
父の背中から学んだ姿勢
「地質調査では温泉は出ないと言われていたのに、父は『昔ここで温泉が出ていた』と掘り続け、本当に温泉を掘り当ててしまいました(笑)。その後は、ノウハウ無しの温泉経営に挑戦し、そんな『何でもやってみる』という父の背中をずっと見ていました」
その姿勢は、自然と橋本さんの生き方にも受け継がれていた。後継を見据えながらも、高校生のころ、忙しい両親に代わって面倒を見てくれていた祖父が突然倒れたのを機に看護の道へ。卒業後は看護師として東京や札幌で患者と向き合う日々を送っていた。昼休みも惜しまないほど仕事が好きだったという。
「しかし、実家の温浴施設が4店舗目の出店を迎え、いよいよ人手が追い付かなくなったことから4年で家業へ戻ることになったんです。2008年から総マネージャーとして、人事、売上管理、企画、設備管理など経営全般を担当しました。経営の経験はありませんでしたが、大変だと思ったことはありません。異業種、未経験の分野にも適応してきた父の背中を見ていたので、未知の仕事にも自然と飛び込むことができたんです」
お客様の声をきっかけに
サウナで小樽愛を発信
「実は私自身、当初はサウナの良さが全く分からなくて、水風呂も苦手で入れませんでした(笑)。でも、サウナ関連の本を読んで研究するうちに、元看護師としての医学的観点からもその魅力を実感するようになったんです。それからは、昔から通ってくださる常連さんも大切にしながら、新しい世代にも楽しんでもらえる施設作りを心掛けました」
更なる転機となったのは、「とにかく地域の人々と交流したい」という思いで、2019年に小樽青年会議所へ入会したこと。地域活動を通して小樽の歴史や文化、日本遺産に触れる中で、橋本さんの中にある思いが芽生えた。
「小樽には素晴らしい魅力があります。でも、地元に住んでいる人ほど、その価値に気付いていないことも少なくありません。だったら地域に住む私たち自身が、小樽の魅力をもっと発信しなくてはいけないと強く感じたんです」
こうして小樽の魅力を新たな事業で発信したいという思いから、2024年に「株式会社Otaru arch」を設立。その第一弾として朝里川温泉にオープンしたのが「SAUNA Otaru arch」だ。
「常連のお客様からの『ゆっくりと入れるサウナが欲しい』との声と私自身の思いを掛け合わせ、『あなたと小樽をつなぐサウナ』をコンセプトにしました。サウナ室の名前を『オタモイ』と名付け青の洞窟をイメージした内装にしたり、朝里ダムをイメージした水風呂を作ったりと、まちの歴史や自然を施設の随所に取り入れています。利用された方から『こんなところまで小樽なんですね』と驚かれることも多いです」
足りない物は作り、
小樽を代表するブランドへ
「小樽には既に良い資源が眠っていますが、もし足りない物があるなら、私たちで作ればいいと前向きに開発に挑んでいます。どの事業にも共通しているのは、小樽の価値を高めたいという思いです。商品を売ることが目的ではなく、それをきっかけに小樽を好きになってもらいたい…その積み重ねがやがて、まちのブランドにつながると思っています」
この「小樽愛」という軸をぶらさないことは、経営哲学にも通じていると続ける。
「経営をしているといろいろな出来事があります。でも、自分の軸がぶれなければ、判断も言葉もぶれません。その姿勢が社員の安心感にもつながるのではないでしょうか」
現在、小樽商科大学大学院で経営を学んでいるという橋本さん。将来は小樽を代表するラグジュアリーブランドを育てることを目標にしている。
「市民が小樽を誇りに思えるきっかけを増やしていくのが狙いです。そして、訪れる人が何度も帰ってきたくなるまちへと変えていきたいと考えています。これからも小樽愛という軸を大切にしながら、新しい挑戦を続けていきます」
株式会社Otaru arch
本インタビューはUHB(北海道文化放送)のトーク番組「BOSS TALK」とのコラボ企画により収録されました。
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。
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