注目企業のトップに聞くin北海道 経営者と共にAIを育て、新たな働き方を生んでいく。【x3d(クロスサード)株式会社】

2026年8月3日 公開

AIに関する企業研修や導入支援を手掛けるx3d株式会社。2023年の創業以来、全国1500社以上に対してAI活用を支援してきた。代表取締役の武石幸之助さんは、インターネット黎明期から第一線で活躍してきた人物。AIの普及だけでなく、その先にある新しい働き方や文化づくりを目指しているという武石さんに、詳しい話を伺った。
代表取締役/武石 幸之助さん
釧路市出身。慶應義塾大学SFC卒業後、東京大学大学院へ進学。在学中からアメーバブログの立ち上げに携わり、卒業後はサイバーエージェントへ入社。2011年に独立し、システム開発事業などを展開。2023年にx3d株式会社を創業し、企業向けAI研修や導入支援を手掛けている。

インターネット黎明期に育ち
「アメブロ」立ち上げに携わる。

ご実家は釧路市、祖父は道東一帯の食品卸売業を営む経営者だった。少年時代の武石さんは、ゲームやアニメが大好きな自称「オタク少年」で、経営者になりたいという夢は持っていなかったという。やがてインターネットの黎明期が訪れると、持ち前の好奇心に火が付きその世界に夢中になる。
「ちょうどWindowsが一般に普及したころでしたので、IT分野に強い慶応SFCこと慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスへ進学して、コンピューターやプログラミングに没頭しました。更により新しい技術を研究したくなり、東京大学大学院へ進学し、インターネットを活用した動画共有や映像制作の研究に取り組んでいました」
在学中にプログラマーとしても働く中でつながったのが、株式会社サイバーエージェント(東京都渋谷区)だ。ブログサービスの草分け的存在となった「アメーバブログ」の立ち上げにも参加したという。
「開発に夢中になっていましたので、ほとんど勉強はしていません(笑)。どうにか卒業した後はそのまま入社する形で、アバターサービス『アメーバピグ』の事業責任者なども経験しました。この時、立ち上げからローンチまでのプロセスを経たことで、未知の技術を広めるためには、できるだけ簡単な言葉で説明し、人々の心にきちんと届けることが必要だと学び、立ち上げならではの面白さにも魅了されました」

実績を積み上げた末
次のステップに選んだAI。

次々と新たなサービスが生まれる環境の中、自らも独立を志すようになっていった武石さん。5年間働いた職場を後にして、2011年に株式会社ワンオブゼムを設立。日本とベトナム・ハノイでシステム開発やモバイルゲーム事業、DX支援などを展開していった。大きな転機となったのが生成AIの登場だ。
「それまでも業界内では何度かAIのブームがあったんですが、2023年にChatGPTが一般的に広まった時には痺れるほどの衝撃を受けました。経営者個人としても、次のステップを模索していた時期だったことも相まって、次なる人生のテーマとして標榜するのはAIしかないと決心したんです」
こうして同年、世の中の先陣を切るようにx3d株式会社を創業した。
「当時はまだAI市場が本格的に立ち上がる前でしたが、昔から新しい技術が生まれた時は、使い方を教えるだけでは不十分だと感じていました。その技術が社会に広がった後に、どんな形で根付くのかの『土台』をつくることのほうが重要だと考えたんです」
武石さんが「土台づくり」として着目したのが経営者や企業へのAI導入支援だ。
「マンツーマンで会社の課題をヒアリングしながら、AIをどうビジネスに組み込めば業務や意思決定が変わるのかを設計し、伴走しながら探っていくスタンスです。AIを取り入れること自体が目的ではなくて、経営者自らが使い続けられる状態をつくることを目指しました。当初は売上が立ちにくい状態でしたが全国の企業を奔走して実践を積み重ねた結果、現在では1500社以上の企業支援へと広まっています。パソコンの使用すら得意ではなかった経営者が、半年後には自らAIを使って業務の大幅効率化に成功した事例も生まれました」

AIとは「育てていくもの」
リアルを大切に支援。

武石さんはAIを単なる効率化のための道具ではなく、人間が共に育てていく存在としてとらえている。
「AIは最初から人間の要望通りの答えを返してくれるわけではありません。大切なのは、精度の高い指示を一度で与えることではなく、対話を何度も重ねていくことです。粘り強くやり取りを続ける中で、経営者自身のアイデアをAIが学んで頼れるパートナーとなり『そんな考え方があったのか』といった発見が出てきます。つまり、人間関係と同じです」
また、AIとの対話を重ねることは経営者自身の思考も磨かれていくという。その変化を生むために欠かせないのが、経営者と直接向き合う時間だ。同社ではオンラインだけでなく、地方への対面支援にも力を入れている。リアルな現場の空気や経営者の思いを大事にしながら、AIと人が適切な距離感で付き合い、それぞれの可能性を全国各地に広げていく挑戦を続けている。
「AIはもう、私たちの生活に欠かせない後戻りできない技術となりました。だからこそ、正しい知識を持って全国へ手渡していき、新しい働き方や文化の普及に貢献していきたいと思っています。全国を駆けるのは決して楽ではありませんが、私が伴走したことで経営者や会社が変わっていく、その手応えこそが何よりの原動力です」

x3d株式会社

2023年創業。社員向けの業務効率化研修から経営者向けの個別コーチングまで幅広く対応し、ビジネスの現場でのAI活用を支援している。これまでに全国1,500社以上の経営者や経営幹部に携わり「人間中心のAI社会」の実現を目指している。
東京都港区芝大門2-12-9-2F

https://x3d.jp/
UHBにて毎週火曜日深夜0時15分〜放送中!
BOSS TALK
本インタビューはUHB(北海道文化放送)のトーク番組「BOSS TALK」とのコラボ企画により収録されました。
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。

注目企業のトップに聞くin北海道

最新記事5件

目指すは日本一のブランド豚!猪突猛進で挑む、家業の6次産業化。【株式会社猪野毛ファーム】 2026年8月10日 公開

ブランド豚「健酵豚」の販売?加工や飲食店を経営する、株式会社猪野毛ファームの代表取締役 猪野毛優作さんにお話を伺った。

クラフトビールを通じて世界へ届けたい北海道発「至福の時間」。【SOCブルーイング株式会社】 2026年8月10日 公開

クラフトビール「ノースアイランドビール」の醸造・販売を行っているSOCブルーイング株式会社の代表取締役 坂口典正さんにお話を伺った。

経営者と共にAIを育て、新たな働き方を生んでいく。【x3d(クロスサード)株式会社】 2026年8月3日 公開

AIに関する企業研修や導入支援を手掛けるx3d株式会社の代表取締役 武石幸之助さんにお話を伺った。

「髪を切る」を超えた挑戦へ。業界の未来をデザインする理美容ディーラー。【株式会社菊地】 2026年7月27日 公開

1967年創業の理美容ディーラー「株式会社菊地」の代表取締役社長 菊地大輝さんにお話を伺った。

人を、社員を愛する思いが原動力。 北海道No・1の飲食企業を目指して。【株式会社WONDER CREW】 2026年7月20日 公開

27歳でイタリアンバルを開業し、現在は11業態28店舗を展開する株式会社WONDER CREWの代表取締役 渡邊智紀さんにお話を伺った。

ページトップへ戻る