石澤さんは現在38歳。高校を卒業し最初に飛び込んだのは建築土木の世界でした。
「厳しい世界ではありましたが、体を動かすのが好きでしたからね。一度短期間だけ運送の仕事の手伝いをしたことはありましたが、気がついたら15年以上、土木の仕事に就いていたことになります」
入社当初の現場は札幌を中心とした全道エリア。まだ若いこともあり初めての町や地域に出張するのは楽しかったと石澤さんは振り返ります。そんな石澤さんが転職を考え始めたのは35歳のころ。
「要因の一つは体力的なこと。今は大丈夫だけれど、将来的につらくなることは簡単に予想できました。もう一つは道外への出張の頻度が増えてきたことですね」
出張先は川崎などの関東圏。3カ月以上の長期に及ぶ場合もありました。
「冬も現場があることは給与の面では助かりはしましたが、それが続くとやっぱり家が恋しくなっちゃって…(笑)」
石澤さんは20歳で結婚。このころはすでに3人の子どもの父親でもありました。
「一番手がかかる時期の子育てを妻に任せきりだったし、入学式や参観日に出てあげられず子どもたちに寂しい思いもさせました。自分の転職は、こういった思いを断ち切るための決断だったんです」